
論文(大下大圓論文)
-
終末期患者の宗教的ケアに関する研究 平成11年3月 岐阜大学教育学部研究報告
-
終末期患者のスピリチュァルケア(Spiritual Care)に関する考察 平成11年5月 日本ホスピス在宅ケア研究会
-
音楽を活用した末期患者の精神的ケアに関する研究 平成12年11月 日本臨床音楽療法学会
-
死の臨床とスピリチュアルケア 平成12年11月 日本人間福祉学会
-
スピリチュアルケアテキスト1,2 平成15年6月 日本ホスピス在宅ケア研究会
-
医療福祉現場への密教福祉の導入 平成15年3月 密教学会報第41号
-
地域におけるスピリチュアルケア実践最前線 平成15年8月 公衆衛生 第68号
-
たましいのサポ-ト~仏教とスピリチュアルケア上 平成17年4月 中日新聞日曜版「心の頁」
-
スピリチュアルケア1~3集 平成17年6月 日本ホスピス在宅ケア研究会
-
癒し癒されるスピリチュアルケア 平成17年6月 緩和ケアvolー15 no 5
-
スピリチュアルケア・アセスメント
-
サマリーシート 平成19年5月 和歌山県立医科大学コアムモデル作業チーム
-
日本人にとっての死 平成19年10月 エマージェンシー・ケア20巻10号
-
看護とスピリチュアルケア 平成19年11月 看護学雑誌(医学書院)71巻11号
-
家族にとってのスピリチュアルケアをめざして 平成19年12月 腎と透析 第63巻6号
-
医療における心のケア~スピリチュアルケア 平成20年5月 共済医報 第57巻2号
-
仏教におけるスピリチュアルケア 平成21年6月 医学のあゆみ第229巻12号 1147-1148
-
円空と笠ケ岳 平成22年7月 山と渓谷社第12nov10
-
日本人の深層意識に底在するいのち観 平成22年9月 看護診断 第17巻第1号
-
宗教と医療をつなぐスピリチュアルケア 平成23年12月 日本ヘルスコミュニケーション学会誌
-
被災地で宗教と医療をつなぐ祈りのスピリチュアルケア 平成24年7月 HOLISTIC,News Letter Vol83
-
A Buddhist-based meditation practice for care and healing: An introduction and application 平成24年12月 International Journal of Nursing Practic (2013) 19 (Suppl.2)、15-23
-
日常生活と臨床宗教 平成25年4月 緩和ケアvol.23
-
日本人のいのち観と仏教的音楽療法 平成26年6月 日本音楽療法学会誌、第13巻1号、17-24
-
生きる意味とつながる生 平成26年5月 日本クリティカル看護学会抄録
-
福島川内村での法話・瞑想実践 平成26年9月 日本宗教学会抄録
-
被災地でのこころのケア活動から見えてきた光と影 平成27年6月 Emergency Cere Vol,28,NO7.
-
Effects of Breathing-Based Meditation on Earthquake-Affected Health Professionals May/June 2017 Holistic Nursing Practice: -Volume 31 – Issue 3 – p 177–182,Miho Iwakuma, PhD .Rev.DaienOshita.Akihiro Yamamoto,PhD.Yuka Urushibara-Miyachi, MD
-
機械製作会社の勤労者における短時間瞑想実習の精神的効果-JUMACLおよびSOCを用いた検討令和1年9月 日本スピリチュアルケア学会誌、2019Akihiro Yamamoto 1 Daien Oshita 2 Kosuke Kawamura 3
-
ストレスで傷ついた心と身体の回復のために大切な考え方と実践 看護8、vol.72.No10、70-75.2020
-
パンデミックの状況下における瞑想の実践 人体科学会Mind-Body Science誌31号、21-23.2021
-
軽度認知機能障害または認知症者の介護家族に対する「ゆるめる瞑想」の精神的健康、心理的ストレス反応および介護負担の変化を調査する前向き観察研究 山本明弘、廣西昌也、梶本賀義、岸田悦子、樫葉雅人、早川博子、川村晃右、浅田紘祐子、大下大圓.第16回 日本スピリチュアルケア学会学術大会発表
-
祈りのちから~平行軸から垂直軸へ 祈りと救いの臨床,7 (1) 13, 2023.
-
「臨床瞑想法」による心理支援に関する研究-宗教性深化という視点から-:Research on Psychological Support through Clinical Meditation-From the Viewpoint of Deepening Spirituality 山口豊,川村晃右,早川博子,樫葉雅人,山本明弘,大下大圓 スピリチュアルケア研究,Vol.7133-142,2023
-
Kajimoto Y, Tamura S, Kawamura K, oshita,D et al. (February 09, 2025) Effects of a Loosening Meditation Practice on Older Adults With Mild CognitiveImpairment: A Pilot Study. Cureus 17(2): e78789. DOI 10.7759/cureus.78789
-
軽度認知機能障害または認知症者の介護家族に対する,ゆるめる瞑想の精神的健康・心理的ストレス反応・介護負担の変化を調査する前向き観察研究 日本スピリチュアルケア学会誌 山本明弘, 廣西昌也, 梶本賀義,岸田悦子, 樫葉雅人,早川博子,川村晃右,浅田紘祐子,大下大圓 ,2025

書籍(大下大圓著作)
通常価格であれば、Amazonなどのサイトでも購入できます。
-
臨床瞑想法のメソッド紹介(ビィングネット・プレス/2025)
-
臨床瞑想法(日本看護協会出版会 / 2016)
-
瞑想力(日本評論社 / 2019)
-
瞑想療法(医学書院 / 2011)
-
即身成仏観法入門(青山社 / 2021)
-
密教―大楽に生きるワザ(日本評論社 / 2016)
-
3つの習慣で私が変わる(日本看護協会出版会 / 2018)
-
空海の瞑想法(マキノ出版 / 2017)
-
実践的スピリチュアルケア(日本看護協会出版会 / 2014)
-
いさぎよく生きる(日本評論社 / 2012)
-
もう悩まないーいまを安らかに生きるために(佼成出版 / 2011)
-
癒し癒されるスピリチュアルケア~医療、福祉、教育に活かす仏教の心(医学書院)
-
いい加減に生きる~スピリチュアル仏教のすすめ33~(講談社 ほか)
「医療と瞑想コーナー」投稿
統合医療でがんに克つ 6月号 VOL.204、2025
「メンタル医療の重要性」~メンタルのセルフケアでがんに克つ
浅田クリニック 浅田紘祐子(臨床瞑想法 指導者)
あんこのおなじない
3年前に放映されたNHKの朝ドラをご覧になった方は、あんこのおまじないをご存じですね。次のような文句でした。
小豆の声を聴けえ 時計に頼るな 目を離すな
何ゅして欲しいか小豆が教えてくれる
食べる人の幸せそうな顔を思い浮かべえ
おいしゅうなれ! おいしゅうなれ! おいしゅうなれ!
その気持ちが小豆に乗り移る うんとおいしゅうなってくれる
甘いあんこが出来上がる
和菓子屋の主人が職人にあんこの作り方を教える場面です。赤ちゃんの寝顔を覗き込むように鍋の小豆を見つめ祈る姿が目に浮かびます。このおまじないの中に、関わるもの全ての命に対する願いが込められているように思えます。心を込めて出来上がったあんことレシピ通りに計量しタイマーをセットして茹でたあんこに違いはあるのでしょうか。命はレシピ通りには扱い切れないように私は思います。私はハイパーサーミアという器機を用いてガン温熱療法を行っていますが、あんこのおまじないを聞いた時、患者さんの顔と替え歌?が浮かんできました。
身体の声を聴け 脳に頼るな 感覚を離すな
何して欲しいか〝やまい(病)ちゃん〟が教えてくれる
自分の幸せそうな顔を思い浮かべて
今日を喜べえ! 祈りを恨みにするな! 独りになるな!
その気持ちが細胞に乗り移る うんと張り切ってくれる
ぴかぴか輝く命の泉が流れ出す
ガン治療に関わる全ての人ができるだけ早く完全にガンを消し去ることを望みますが、現実は、医学の進歩は日進月歩ではあるもの未だ誰にも効く確かな方法がなく、ガン死は2023年の統計で38万人を超えています。治療が難しい原因のひとつは、ガンに個性があり、同じ病名、同じ病期であっても治療効果が違うことです。一方で、がんサバイバーの情報も多くあります。その中には医師から治療法がないと言われた方が治癒された例もあり、緩和病棟など医療現場でも多くの医師が説明のつかない治癒症例を経験しています。いいニュースと悪いニュースがある中で、一体どうしたら望む結果を得られるのでしょう。多くの患者さんがガンとの闘い方を模索し、やがて化学療法の果てに闘い続けるべきなのか悩んだり、余命の告知を受けて希望を失いそうになったりします。
完治をゴールとした時には、先端医療でも未だ解明できていない視えざるものへの闘いを強いられますが、生まれてから現在そして肉体を離れるまで(あるいはその先まで)の在りたい自分の命の物語を書き上げることをゴールと考えるとどうでしょう。違った景色が観えてくるのではないでしょうか。人生の軌跡を見つめる時間は生きている者に必ず訪れるはずですが、病を得た今、治療法の模索と同時にそれまで無意識であったかもしれない自分の生き様や死に様への願いを見つめるモチベーションが訪れています。治癒への道をできるだけショートカットして辿り着きたい気持をほんの一時だけ離れて、心を覗き込む作業に目を向けてください。これからの物語の展開によい変化をもたらしてくれるでしょう。あんこのおまじないは、心のエネルギーで小豆が美味しいあんこへと変態する物語にも見えてきます。小豆も職人も共にあなた自身です。がんサバイバーを観ると、その多くが発病以前より力強く軽やかに生き抜いておられ、心理的な変容が起こったことを示してくれているように思います。
そして、物語を書こうとする時、自分に寄り添ってエネルギーをくれる誰かと繋がることをどうぞ自分に許すようにして欲しいと思います。医療面を支えてくれる医師とメンタルケアを支えてくれる者と自分との三人四脚が噛み合う時、病の苦しみはさっさと立ち去っていくでしょう。
では、具体的にどうすれば命の物語を書いて自分に変化を起こせるでしょうか。臨床瞑想法を指導し、スピリチュアルカウンセリングに携わってきた中で気づいたことをお伝えしたいと思います。あなた自身ができることを好奇心をもって毎日のわずかな時間、どうぞ取り組んで下さい。
息をアンカーに命の物語を描く
頑張っている時、苦しい時、心も身体も力みが出ます。先ずは無意識のうちに緊張している部分に気づいていきましょう。深く静かな呼吸は感覚を鋭くし、自律神経を整えます。肩が上がらないよう注意しながら深く吐き、静かに鼻から吸います。必要なだけ自然に息が入ってくる感覚があれば、とても上手くリラックスの呼吸が出来ています。その呼吸を続けているとやがて力んでいる身体の部分に気が付きます。必要以上に頑張って緊張しているその部分が弛むように意識を向けていきます。深く心地よい呼吸がそれを助けてくれます。
身体がリラックスすることで心も自然に落ち着いてきます。リラックスした身体と心でより良い判断が視えてくる準備が整いました。不安と恐怖の森から抜けて、やるべき備えと楽観のバイアスなしに正しく恐れる勇気が湧いてきます。危機を感じると過剰に興奮した脳の偏桃体が感情の嵐を引き起こします。嵐を自分の息で収め、希望をもって前に進むことは可能です。心理療法に待つまでもなく、古より瞑想やヨガ、居合や合気道などの武道の中に息で身体と心を結んでいくことが説かれています。あなたにとってのベストな選択は、外から与えられるものでも待つものでもなく、深い想いに従い物語を紡ぎ行動していく中で立ち現れてきます。それが希望へと繋がっています。どうぞ無意識の呼吸を意識的に使える技へとお稽古を重ねてみて下さい。心身に良い変化を起こしていきましょう。リラックスは免疫力と気づきというプレゼントを用意して待ってくれています。
命を喜び、軽やかな生き方をされている患者さんを次に紹介させていただきます。
道しるべ
お一人は食道を原発とする全身がんの患者さん。「まいど!」と言いながら診察室に入ってきて、「今年は俺の3回忌(の予定だった)。まだ生きてるけど…(笑)」と言いながらにやりとするその男性は、2か月との余命宣告を受けてから2年目に生まれた孫の世話を生きがいにされています。罹患後から恒例となった月一回の夫婦旅行の立案にも忙しくされておられます。化学療法を限界まで受けられ痛み止めを服用しながらも「ガンであることを忘れる時がある」と話されるユーモアあふれる男性です。
もうお一人は80歳を超えて標準治療不可能な両側肺がんの男性。緩和ケア病院への主治医の紹介を時期尚早と断られました。病弱な奥様に「私は介護できませんよ(怒)」と強く宣言されて困った顔をされていました。ところがこの2年間でじわじわと母指等大からまち針の頭ほどの大きさにガンが小さくなり、奥様と仲良く暮らしておられます。終活をしながらもゲートボールと町内会のお世話に忙しいこの男性は、「こんなに元気だし、もう通院止めていいかな」と言われます。あと2年、卒寿目標に通院いただくようお願いしているところです。
お二人とも心身の苦しみを感じつつも身体に調子を合わせて日常を楽しみ、家族や私たち医療者までをもユーモアある言葉で労って下さいます。時に診察室でため息をつき、怒り、ぼやかれ、そしてまた日常の中の楽しみと苦しみに戻っていかれるお二人の姿からは、自他の命への愛おしみと寿命を天に預けられた強さと美しさを感じます。あなたの目にはどう映るでしょうか。ご自身の物語があなたにとって特別な光輝くものでありますように。(了)



